学のない僕が本を読んだ

いろんな本の感想を綴っています。参考にならないものがあるのも悪しからず。

【感想】リーダーの信念(五木寛之 風のCafe)

 本書はBSフジの「五木寛之 風のCafe」において放送された五木さんと著名人の対談を書籍化したものになっています。

 

リーダーの信念 (風のCafe)

リーダーの信念 (風のCafe)

 

 

 こういう対談本というのは、対談を行っている方々の信念があぶりだされていくところが好きです。著名人が「リーダーの信念」という本を執筆したとしても、基本的にはまとめられた、整理された情報が載っているので、それはそれで役に立つんですが、人柄が見えにくいというか、その信念に至ったバックグラウンドが見えてこないんですよね。

 一方、このような会話形式の内容だと、彼らがどのように苦悩してそこまで登りつめたのか、リーダーとしてどう困難と向き合うのかとかが実体験から語られています。そこから学ぶものというのは、読者ごとに違い、僕が感じたことをみなさんが感じているとは限りませんし、逆もまた然りです。

 

 本書の中で、僕の印象に残ったのは、
幻冬舎代表取締役である見城さんの

「人事を尽くして天命を待つ」という言葉があるじゃないですか。僕はそれが、会社をつくったときにわかりました。最後は天命を待つしかないんだな、と。(P.82)

元サッカー日本代表監督である岡田さんの

逆に、無心とは言わないまでも、無心に近い状態で、「よし、こうだ!」と決めると、自信が持てる。もしもそのあとにうまくいかなくても、ブレないで済むんです(P.135-136)

の2つの部分です。これらは同じことを言っていて、結局は「やるだけやったら、あとはそれを信じて決断するしかない」、「成功するかどうかは分からないが、やるだけはやった」という、ある種、達観した気持ちが重要である、ということなのだと思います。

 しかし、それは「諦め」とかではなく、必死で努力して、考え抜いた結果、導き出される結論に対して「天命を待つ」という行為を自然と選択できるのだと。

 

 ちなみに、岡田監督は独自の哲学を持っていて、講演などでも自分の言葉でお話しできる方なので非常に尊敬しています。この早稲田大学での講演もぜひ一読ください。


岡田武史氏が語る、日本代表監督の仕事とは (1/7) - Business Media 誠