【感想】テレビが伝えない憲法の話(木村草太)
最近、いろんなところで憲法の話が盛り上がっているので、憲法に関する新書を読んでみました。
教科書代わりに中学生に読んでほしい一冊です。
内容(「BOOK」データベースより)
そもそも憲法9条、96条は改正できるのか?集団的自衛権から非嫡子相続まで。憲法論議を正しく楽しむための一冊。
「テレビが伝えない憲法の話」というタイトルで、「利権が絡んでいて伝えられない話なのかな」と思いながら読んでみたら、「テレビでは分かりやすく伝えるためにかなり省略されているが、これは本当はこういう話なんです」という形で、詳しく説明がされていました。
例えば、山本太郎議員が天皇陛下に直接手紙を渡したシーンについて、テレビでの報道等では、これがなぜ許されない行為かっていうことをあまり伝えていなかったと思います。
これは「天皇陛下に手紙を渡すなど畏れ多い」とか「失礼だ」という次元の話ではなく、「日本国民を象徴する天皇陛下が、一議員に利する行為を行うことは許されない」という点で問題であると本書は指摘しています。
他に目から鱗が落ちた話といえば、憲法の中でなぜ、最初に天皇制度の話が出てくるか、というところです。
「まあ、確かに天皇っていうのも日本が誇るものだしな」と今まではなんとなく考えていました。本書によると「天皇は日本の象徴である」ということは裏を返せば「天皇には実権がない」ということを示しており、暗に国民主権を示しているとのことでした。
この部分についてはずっと頭のなかで引っかかっていたことが解決したので、軽く感動してしまいました。
他にも、三権分立と国民主権の関係など、憲法に関する話が分かりやすく説明されていました。
これ一冊で、ちょっと物事の見方が変わること間違いなしです。